東京大学 植物病理学研究室

研究内容

研究内容

当研究室で研究している病原体について紹介します。

ウイルス

写真:ウイルスに感染したチューリップ

植物ウイルスの感染・増殖過程は宿主の代謝系を利用していることから農薬による防除が不可能です。現在では抵抗性品種や媒介昆虫の駆除、弱毒ウイルスの利用などさまざまな防除手法が実用化されていますが、これらの対策はあくまでも個々のウイルスや症例に対する各個撃破型の対策にとどまっており根本的な解決に至る方法ではありません。我々は先端的 な基礎研究を行う立場から、広範なウイルス種に共通した感染戦略・病原性発現機構を解明し、より優れたウイルスの防除戦略の確立を目指しています。

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ファイトプラズマ

写真:ポインセチア

ファイトプラズマは、1967年にマイコプラズマ様微生物 (mycoplasma-like organism, MLO) として当研究室の土居養二先生らにより世界に先駆けて発見された難培養性の植物病原細菌のグループです (土居ら, 1967石家ら, 1967) (論文の解説はこちら)。ヨコバイなどの篩部吸汁性の昆虫や栄養繁殖を介して伝染し、世界中で1,000種類以上の多様な植物に病気を引き起こす重要な病原体です。感染した植物が呈する黄化・萎縮・叢生・てんぐ巣・葉化・突き抜けなどのユニークな症状も特徴です。実は身近な病原体でもあり、例えば市販のポインセチア品種は、ファイトプラズマによるてんぐ巣症状のお陰で華やかな外見になっています (右側がファイトプラズマ感染のポインセチア)。また、以前は葉化症状を呈するアジサイが緑花品種として流通していた事例も知られています。私たちは、病原性や伝染性を中心にファイトプラズマの感染のしくみを解明することを通じて、ファイトプラズマ病の包括的な理解と新たな抑止戦略の確立を実現すべく、研究に取り組んでいます。

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業績

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